型枠工事は、文字どおり建物の型を造る作業です。この型自体に曲がりやゆがみ、凹凸があると、躯体そのものに曲がりや
ゆがみが残ってしまいます。例えば、壁の型枠を組み立てるとき、型枠が垂直になっていないと壁も斜めになり、出来上が
りの見栄えが悪くなるだけでなく、建物の強度にも影響が出てしまうのです。また、組み立てた型枠がしっかり固定されて
いないと、コンクリートを流し込んだときにコンクリートの重みで枠がずれてしまうこともあります。そこに隙間ができて
しまったら、コンクリートが漏れてしまいます。出来上がった躯体を後から修正するのは大変な手間がかかりますし、その
分コストもかさみます。そうならないためには確実な型枠工事が不可欠。まさに、失敗が許されないプロセスだといえます。
①拾い出し
施工図を基に、コンクリートを打設する柱や梁、床、壁等の寸法、形状を拾い出し加工図を作成する作業となります。また、作成した加工図から必要となる資材の数量を拾い出し発注し、部材加工を行います。
②部材加工
作成された加工図を基に、ベニヤ板や桟木を使用して加工材を作成する作業です。作成した加工材は資材運搬車で建設現場へ搬送されます。
③墨出し
建設現場で実際に型枠を設置する位置など、施工を行うに当たって必要な印をつける作業です。工事が始まった後も頻繁に墨出しは行われます。
④型枠建て込み
墨出しした墨に合わせ、加工材・パネルを建て込んでいきます。建て込みした型枠が建物の形になる為、水平器などを使用し、垂直精度など型枠の精度を確認します。
⑤型枠締め付け
建て込みの終わった型枠を、フォームタイや単管パイプで締め固めます。コンクリート打設時、型枠の内側から外側へ圧力が掛かります。型枠の締固めがしっかりと行われていないと、型枠に歪みが発生してしまう為、非常に重要な工程です。
⑥生コン打設
生コンクリートを型枠の中に流し込む作業です。生コンを打設は専門の方が行います。打設中に型枠に影響がないように、型枠大工の職人の方も立ち合い、常に点検を行います。
⑦型枠解体
コンクリートの打設が完了し、コンクリートの強度が出た時点で型枠の解体を行います。壁、梁、スラブと日数を掛け、順に解体を行います。
⑧現場の引き渡し
型枠解体が終わると型枠工事は完了です。つづいて仕上げ工事に入りますので最後に清掃をして次の施工する業者に現場を明け渡します。